王制

人の脳が壊れていく様は興味深くまた単純に恐ろしい。

でもまだ寂しさや悲しさを感じないのは、そういうものなのか、そうあろうとしているのか、直視できていないだけなのか、実際のところどうなのかはまだわからない。

かつて圧倒的な暴力でもって絶対王制を敷きそこらを支配していた王様は、今は立つことすら困難になっているだけでなく、自宅でトイレを探して彷徨うほどだ。どうしたもんかね。

あれほど言葉に厳しかったのに今はそれすらも崩れてきている。困ったもんだね。

これの何処が怖かったのかな。

大人の象は自分が繋がれている木の杭を容易に抜いて脱走ができるはずなのに、小象の頃の「この杭は抜けない」というイメージをずっと持っているから抜こうとすることもなく、それゆえ逃げることがない、というような昔どっかで読んだ覚えのある話を思い出す。特に意味はない。

三つ子の魂百まで、とかそんな感じ。全然違うけど。

全然違うようでそんな違っていないけど。

精神だとか思考だとか、そういうのは本当に脳みそにあるんだろうかね?と適当に思ったりする。

でも脳みそ壊れてきている人が思考や振る舞いに支障きたしているのを見ると、人間を人間たらしめている要素の大部分は脳みそなのだなぁと実感する。

んなこと実感したところで精神や思考のあり方が全て物理的な脳状態なのだと納得できるわけではない。そして今回はこういう話がしたかったのではない。

老いた時のその人の周りにある環境というのが恐ろしい。

それは完全に自業自得なのかといえばそうでもないだろうし、そうも言えなくもないのかもしれない。そういう時期を幸せに過ごしている人が僕の周りには極端に少ないように思えるので、どうも想像がつかない。周りに居ないから想像がつかないって帰結になるのはちょっとおかしいけど、物語や空想のではなく、現実の在り方、成し方として考えると事実全然全く持って想像がつかない。だからなんだって話ですけどもね。

ただ絶対王制の終焉をお知らせしたかっただけでしたお休みなさい。